さてさて2人目のストーリーは、お客様が乗ったバスの中で大雪の影響をまともに受けた後輩の登場です

新年は無事迎えられたものの、その後に待っていた苦悩の30時間

添乗員ってほんと大変な仕事だな…今更ながら痛感したお話です

このブログにも「トラブル」ってカテゴリーがあるけど、そこに書いてあるトラブルなんて比にならない内容です

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観光を追え、大阪に帰ろうとした一行に何が起こったのでしょうか?

後輩のレポートは[続きを読む]

 

 

 

昨日から雪の影響はあったものの、無事に島根県の立久恵峡(たちくえきょう)温泉で新年の朝を迎えました

 

9時にホテルを出発した後は出雲大社の参拝

12時半には島根ワイナリーを出発して大阪に帰る予定でした

まさかそこから長く、過酷なバスツアーが始まるなんて、この時点では知る由もありませんでした…

 

ニュースで流れていたように国道9号線は大雪による大渋滞

どうにもならないこの状況を察して、早めに皆生温泉への延泊が決定しました

と言っても、すぐにホテルに着けるはずはありません

バスが国道で何時間も動かない状況が続きました

 

そこで出てくるのがトイレ問題

トイレ休憩を取れる場所も多くはありません

男性だけでなく女性のお客様までも茂みの中でトイレを済ませてもらうしかありませんでした…

コンビニのトイレも借りましたが30分以上待ちの長蛇の列

そのコンビニまでも積雪がひどく年配の方は1人で歩くことも出来ません

添乗員とガイドさんが一人ひとり付き添いながらフォローしました

 

続いての問題は食料調達です

やっとたどり着いたコンビニには、おにぎり、パン、ラーメンなどといった食料品はほぼゼロ…

何とかかき集めたお菓子類で空腹をしのぎました

 

そして今度は、あと200mほどでホテル到着!

というタイミングでバスが雪に埋もれて全く動かなくなってしまいました

しばらく時間がかかりそうだし、お客様に被害が及ぶ可能性もあると判断して、ひとまずお客様には荷物を置いたままバスを降りてお宿まで雪道を10分ほど歩いて頂く事にしました

 

やっとの思いでホテルに到着したのは翌朝6時(予定では23時頃)

お客様はすでに空腹の限界を越えていたと思います

さて、そろそろバスも動き出すだろうとバスへ戻ってみると…

なんと窓ガラスが割れ車内に雪が舞い込み、破片が座席に散乱しているではないですか!

乗務員さんに聞くと、私たちがバスを降りたあと、木の枝がバスの窓を直撃してガラスが割れたそうです

「お客様に先に降りてもらってよかった…」と安心する余裕はありません

すぐにホテルスタッフと協力してお客様の荷物運びに追われる事に

 

宿入り後は先に朝食へご案内してお部屋へ

大浴場は24時間オープンにしてもらいました

元旦の7時に起床してからすでに24時間以上、不眠不休状態が続き、私自身の疲れもピークに…

でも再出発まではフロントに待機をしつつ、必要な手配をかけていきました

 

まずは食料!

コンビニは昨夜と変わらない状態だったので、ホテル側に昼食弁当を用意してもらいました

 

続いては復路の段取りです

一晩中バスに缶詰状態だったドライバーさんもガイドさんも気力体力ともに消耗しきっており、業務続行は不可能と判断

また窓ガラスが割れたバスで帰ることも出来ないため、営業所やバス会社と連絡を数時間取り合い、結果的に現地バスを利用して帰る事が決まりました

フロントでは帰りを心配されるお客様から電話が鳴ったり、トラブルにご理解頂けないお客様へのフォローをしたりと同時進行

やるべき手配が多すぎて、本当にひとことでは言い表せない忙しさでした

 

結局、手配した現地バスの到着が4時間遅れたため16時にようやくホテルを脱出!

途中、もともとのバス会社さんが用意した代車に乗り換えなどしながら大阪へ!

最後のお客様をお見送りした頃には1月3日を迎えていました

 

本来なら年末年始のゆったりとした1泊2日のコースのはずでしたが、まさかこんなサバイバルツアーになるなんて予想もしていませんでした

 

今回一番辛かったのは30時間以上寝ずに手配&お客様フォローにあたっていた事です

でも、あの時は「辛い、しんどい」と思う気持ちより「何とかしないといけない!お客様の頼りは添乗員しかいない!」との思いが強くて無我夢中だったような気がします

ひとことでは言い表せない感情で本当にいっぱいですが、今思うと貴重な体験が出来たと思います

 

最後のバスでのご挨拶の時、今までで一番心のこもった拍手と「また添乗員さんのツアーで旅行に行きたい!」というお声をたくさん頂き、涙が溢れそうになりました

こんな状況だったにも関わらず、文句言う方は1人もいらっしゃらず、バス下車の際に

「本当に大変な3日間だったけど、色んな思い出が出来て楽しかったよ」というお声に感動しました

改めてツアーに同行する添乗員の必要性、どんな状況においてもお客様を想う気持ちさえあれば旅行を楽しいものに出来るのだということを感じました