先日、柄にもなく“小説”なるジャンルの本を読んでみました

IMG_20150312_115730~01「太陽の塔」

(森見登美彦著/新潮文庫)







この作品は第15回日本ファンタジーノベル大賞の大賞作品

ゆーても2003年の作品なので、かなり今更感のある作品です(笑)


本は好きなは方なんだけど、小説ってめったに読まないんですよね

前に読んだ小説は湊かなえの「告白」だったから7年ぶりくらいかな?

内容は著者本人であろう主人公と友人たちが

クリスマス前の京都を舞台に妄想を繰り広げる失恋ファンタジー

彼女にフラれた主人公がとにかく女々しい(笑)

そしてやることがバカバカしくてしょぼい(笑)

ちょっとストーカーぽくって最初は抵抗があったんですが

徐々に親しみを感じてきて

最後は愛おしくさえ思えてしまいました


自分が学生時代に過ごした地名がたくさん出てきたのでその辺も楽しめましたね

マクドナルドもちゃんと“マクド”って書かれてるし(笑)

欲を言えば“北バチ(北白川バッテイングセンター)”も入れて欲しかったな


ただちょっと気になったのは

“俺は文学作品的な粋な表現できるんだぞ”

みたいな難しい言い回しが多数出てきて最初はちょっと読みにくかった点
(自分が小説を読み慣れていないのもあるけど)

でも途中からガラっと読みやすくなるんですよね

こちらがその表現に慣れたからか

登場人物が増えて話しことばが多くなったからか

とにかく途中から一気に読み進んでしまい

気づけば四条河原町で“ええじゃないか”の群集にもまれていました(笑)



ところで、なんで京都が舞台なのにタイトルが“太陽の塔”なのかというと

主人公の元カノの水尾さんが太陽の塔好きだったから(笑)

物語ではこの太陽の塔と叡山電車が何度もセンチメンタルに登場します

京都に実際ある固有名詞(地名や神社やお店)もたくさん登場するんですが

自分が生まれた病院も実名で書かれていました

しかもその表現が“要塞か古い工場”って…

この表現、かなり的を得ているなと感心しました(笑)
(今はリニューアルして綺麗ですが)


物語のクライマックスがクリスマスイブなので、ちょっと季節外れですが

この春から京都で学生生活を送る学生の方はもちろん

失恋で落ち込んでいる友人へのプレゼントとしてもお勧めの一冊ですよ(笑)